この法人は、一般市民、医療機関及び医療従事者に対して、地域社会における小児救急医療に関する支援や啓発普及、

調査、研究、人材育成などに関する事業を行い、保健、医療、社会教育の推進、こどもの健全育成に寄与することを目的として活動しています。

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病気未満

 

病気かどうか決められない段階

いちばん最初に「子どもが病気かも!」と気づくのは、家族です。

医師や看護師が各家庭を巡回して病気の子を見つけているわけではないので、よく考えると当たり前ですが、自分の子どもを育てて初めて気づいたことです。

小児科に来院する子どものほとんどは発症していたので、診断や治療を考えることに一生懸命で、「病気に気づいて、受診する」という過程を真剣に考えたことはありませんでした。

 

親になってみると、熱が高い・嘔吐を繰り返す・食欲が全くないなど、症状が明確な時は迷わないのですが、妙に元気がない場合や37℃前後の体温、何かのきっかけで1回嘔吐した場合など、単に体調不良か病気か決められない場合もよくあります。明確に病気と決められない状態を「病気未満」と称して、家族がどう受け止めたらいいか、どう行動すればいいかを考えていきたいと思います。

 

 「もっと早く」と思いがちですが

 

病気のときには、「もっと早く受診していたら、もっと楽に過ごせたかもしれない」と思う人が多いかもしれません。しかし、病気未満の段階では悪化するとは限らず、元気に回復する可能性もあります。改善するお子さんが早く受診する必要はないので、様子を見ていてひどく元気がなくなるとか、症状が増えてくるといったタイミングで受診すれば、ほとんどの場合、「遅くはない」でしょう。夜間は診療体制が限られているので、待てる状態であれば、朝から受診した方が医師の診察も検査も速やかに進みます。子どもの特徴と各症状で考えられる悪化した状態を知って、子どもの様子を観察していれば、大きく間違えることはないでしょう。

 

 子ども一人一人の特徴と年齢による特徴を知る

子どもは個人差と年齢差があるので、すべて細かい部分はケースバイケースです。病気は、原因→発症という一定の過程があるのですが、病気未満は決められない部分が多く、個々のちがいは大きいかもしれません。病気未満の状態の時によく観察すると、子どもの特徴も見えてきます。我慢強い性格かちょっとしたことに弱い性格か、すぐに親に言わない子か何でもすぐ訴える子かなど、病気未満の経験を通して理解が深まることかもしれません。

 

 体調不良の場合は、休む・楽に過ごす

 

病気未満では、病原体との闘いや体のどこかの損傷というより、単に体調不良の場合もあります。いずれにしても、心と体を休ませることが大事です。眠れるといいのですが、日中眠るのを嫌がる場合は、のんびりだらだら過ごしましょう。

画像を使ったゲームでは、一見楽に過ごしているように見えて脳が興奮しているので、休んでいるとは言えません。どうしてもと言う場合は、一定時間で切り上げましょう。

夜は眠るのが一番です。

日本の子どもは世界の中でも睡眠時間が短いので、普段より多く睡眠時間を取っても、まだ不十分ということもありそうです。病気のあれこれを心配するより、子どもの様子を見ながら、ゆっくり眠れるようにしましょう。 

 

次からは、具体的な症状について考えていきましょう。